徳島県の人口減少が止まらない。県が推計した4月1日時点の人口は73万7939人で、戦後初めて74万人を割り込んだ。

1999年以降、毎年減少しており、2007年10月に80万人を切り、16年11月には75万人を下回った。国立社会保障・人口問題研究所が3月に発表した推計では、45年には約53万5千人にまで減る。

県は15年に決定した「とくしま人口ビジョン」で、60年の人口目標を「60万~65万人超」と設定しているが、実現は極めて難しい状況だ。そもそも数値設定に無理があったのではないか。

この目標を達成するために、県は人口減少対策の5カ年計画(15~19年度)となる総合戦略で▽20年までに転入・転出者数の均衡を図る▽25年に合計特殊出生率を1・8に上昇させる―などを目指している。

しかし、現実は厳しい。転出者数から転入者数を引いた数は15年2216人、16年1384人、17年1878人と均衡には程遠い。合計特殊出生率は15年1・53、16年1・51と横ばいだ。

飯泉嘉門知事は、数値目標を下方修正する可能性を示しながらも、「当面は何としても達成するため、さまざまな施策で対応していく」と主張する。

これまでも県は人口減少対策に力を入れ、一定の成果を挙げたと言える。

企業のサテライトオフィス誘致は、都会から地方への人の流れを生み出す取り組みとして全国から注目を集める。移住相談会や市町村による移住体験ツアーといった対策も推進した結果、16年度に県内に移住した人は842人に上り、前年度より230人(37・6%)増えた。

とはいえ、状況が劇的に変化し、人口減少に歯止めがかかる要素は見当たらない。

誤った将来予測に基づいた施策を行えば、県民生活に支障を来す。それは国の社会保障制度を見れば明らかだろう。目標を現実的な数値に見直す必要がある。

日本全体の人口が減る中、小さくなるパイを自治体同士が奪い合っても仕方がない。発想を転換し、人口減少を前提とした地域づくりに比重を置くべきではないか。

人口減少の影響はさまざまな分野で顕在化している。

地域経済を支える企業は人手不足や後継者難に頭を抱える。自治体は財源難に陥り、存続すら危ぶまれている。議員のなり手不足も深刻だ。

全国より10年早く進む高齢化も県内に大きな影を落としている。

年間死亡者数は増加傾向にあり、12年以降は1万人前後で推移。本県の「超高齢社会」の先には、団塊の世代が死期を迎える「超多死社会」が待ち構えている。

こうした先行きに多くの県民が不安を抱いている。それぞれの地域の特性を生かしながら、安心して暮らせる将来像を描くことが大切だ。