スポーツマンシップに反する行為の責任が、厳しく問われるのは当然である。

 日本大アメリカンフットボール部の選手が悪質な反則行為で関西学院大の選手を負傷させた問題で、日大の内田正人監督が辞任した。

 内田氏は「一連の問題は全て私の責任。監督を辞任する。弁解もしない」と話したが、問題は選手が悪質なプレーをなぜ行ったかである。

 6日の定期戦を巡っては、日大の守備選手が、パスを試みた後で無防備だった関学大クオーターバック(QB)の背後から激しくタックルして腰などを負傷させた。だが、日大は反則を犯した選手を交代させず、退場となった際に注意した様子もなかった。

 内田氏らが、そうした行為を容認していたと見られても仕方あるまい。

 反則をした選手に注意しなかったことについて内田氏は「私の判断の悪さ」と認めた。しかし、ラフプレーを自ら指示したかどうかは明らかにしていない。

 場合によっては、命に関わる重大な事態を招いていた可能性もあった。日大側が辞任という形で、けじめをつけようとしているのなら、到底、認められまい。

 日大の守備選手は「『(反則を)やるなら(試合に)出してやる』と監督から言われた」と周囲に話していた。きょう開く記者会見でも、内田氏らの指示に従ったと述べるとみられる。

 一方、日大広報部は16日時点で、学内の調査に内田氏は「違反をしろと言っていない」と述べたとして否定した。これで説明を尽くしたと考える人はいないだろう。

 反則が社会問題化してから約2週間、内田氏は公の場に姿を見せず、積極的に語ろうとしなかった。その対応ぶりは事態を軽視しているようにも映る。

 内田氏は常務理事を兼ねるなど学内でも絶大な権限を持っているという。そうであれば、なおさら日大側はガバナンスを発揮すべきである。

 関学大では40年前に、QBが試合中の事故で半身不随となったことがある。それだけに、選手の安全を優先するよう、日頃から配慮してきたという。今回、負傷した選手の父親はきのう、警察に被害届を提出した。

 日大は、アメリカンフットボール界で名門として知られてきた。大学日本一を決める「甲子園ボウル」では、東西王座決定戦だった時代も含めて21度の優勝を果たすなど、チームの歴史は華々しい。

 しかし、高校アメフット界には「選手の方がもう日大には行きたくないといっている」と言う指導者もいるようだ。日大はその意味を考えてもらいたい。暴力やパワーハラスメントを容認するような体質があると見られているのではないか。

 求められるのは真相の究明だ。日大側は、厳しい目が向けられているのを忘れてはならない。