新鮮な果物や野菜、ハーブ、スパイスなどの素材と酒を組み合わせてつくる「ミクソロジーカクテル」。健康志向の高まりから近年、日本でも人気を集めている。そのカクテルを提供する東京都内のバーの店長としてカウンターに立つ。「これまでにない組み合わせでカクテルを作ることに創造性とやりがいを感じている」。シェーカーさばきは力強く繊細だ。

 5月末に行われたアイリッシュウイスキーを使ったカクテルコンペティションの国内大会で優勝。6月末にアイルランドで開かれた世界大会に日本代表として出場し、2位に入る活躍を見せた。「テースト・オブ・ホーム(古里の味)」をテーマに行われた大会に出品したオリジナルカクテルは「アワリッシュ・コーヒー」。徳島県産のスダチ、阿波和三盆糖とエチオピア産のコーヒー豆を組み合わせたコーヒーカクテルで勝負を挑んだ。「スダチと相性の良い酸味のある豆を選び、和三盆糖の自然な甘みを加えた。県産食材を使って評価されたことがうれしい」と振り返る。

 高校時代は本気でマジシャンを目指していたが、大学在学中のアルバイト先でコーヒー作りの魅力に目覚めた。バリスタ(コーヒーの抽出職人)になろうと滋賀県の洋菓子店で修業し、コーヒーの上にミルクの泡で絵や模様を浮き上がらせる「ラテアート」の技術を磨いた。「自分の技や作った物で人に驚いたり、喜んでもらえたりするのが好きなんです」とほほ笑む。

 ミクソロジーバーの店長になってからの2年は帰省する時間がないが、古里への思いはひとしおで「世界大会で徳島の食材を紹介できたように今後もその魅力を発信していきたい」と語り「いつかラテアートやカクテル作りの講習会を徳島で開けたら」と意欲を見せた。

 うえまつ・だいき 小松島市出身。小松島西高校を卒業後、四国大で学んでいた際に徳島市内のコーヒーチェーン店でアルバイトをしたことがきっかけで、バリスタを志す。滋賀県の洋菓子店で修業した後に上京し、都内のカフェに勤めながらバーテンダースクールに通ってカクテル作りの技術を磨いた。2015年から港区東麻布2の「ミクソロジーバー ソース2102」店長。27歳。