第1次世界大戦中、鳴門市大麻町にあった板東俘虜(ふりょ)収容所で、ドイツ兵捕虜によってベートーベン「第九」がアジア初演されてから6月1日で100周年を迎える。市などは27日~6月3日、演奏会やシンポジウムなどの記念事業を催し、元捕虜の子孫ら約50人とともに節目を祝う。

 記念事業は、27日の「子どもと大人のベートーベン『第九』交響曲第4楽章演奏会」で開幕。徳島交響楽団ジュニアオーケストラのメンバー約70人の演奏に合わせ、撫養、林崎、鳴門第一、板東の市内4小学校の児童と認定NPO法人鳴門「第九」を歌う会の計約280人が「歓喜の歌」を合唱する。映画「バルトの楽園(がくえん)」の無料上映会もある。

 6月1日は、目玉の「よみがえる『第九』演奏会」を開催。男性約120人でアジア初演の様子を再現する。延原武春さんの指揮でテレマン室内オーケストラ(大阪市)の約40人が演奏。鳴門市出身の米澤傑(すぐる)さん(テノール)らソリスト4人と関西学院大グリークラブのメンバーら約80人が歌声を披露する。

 松江豊寿(とよひさ)所長の銅像除幕式や元捕虜の子孫らを招いた式典、クリスティアン・ヴルフ元ドイツ大統領らによるシンポジウムもある。

 2、3の両日は日本、ドイツ、中国、米国から約1200人の合唱団員が演奏会に出演。ベートーベンの研究家で「交響曲『第九』の秘密」の著書があるドイツ出身のマンフレッド・クラメスさんが両日とも講演する。