「(新人賞受賞は)ピンとこない。でも、他の人が取っていたら嫌だったと思う」。一生に一度の栄誉を受けた競輪界の新星は負けず嫌いなところを見せた。

 昨年7月のデビュー戦から通算128レースに出走し優勝10回、1着70回。小松島西高時代の輝かしい実績を引っ提げて飛び込んだプロの世界で順調に実績を積み重ねているが、「楽勝のレースは一度もない。1レース1レースが本当に難しい」と表情を引き締める。

 長く選手生活を続けるためには、けがをしない体づくりや健康面への気遣いが欠かせない。食事にもこだわり、野菜を使ったヘルシーなメニューが中心。練習は小松島競輪場と日峯大神子広域公園で午前に集中的に行う。「1本走って手応えがあれば、それで(練習を)終えてもいい。大切なのはレース感覚を養うこと」と言い切る。

 太もも周りは高校時代とほとんど変わらない59・5センチ。丸太のような太ももを持つ選手が少なくない競輪界にあってはきゃしゃな方だが、強力なダッシュ力と巧みな駆け引きで、S級2班でトップクラスの実力を誇る。

 目指すのは「最後の最後まで何が起こるか分からないと思ってもらえるレーサー」。どんなレース展開でも勝てる強さを身につけたその先に、まだ成し遂げていないGグレードの優勝を見据える。

 レースや練習がないときは映画や買い物などで時間をつぶす。しかし「すぐに疲れるので、家でじっとしていることがほとんど。競輪選手っぽくないとよく言われる」と笑う。実家に近い小松島市中田町で1人暮らし。175センチ、71キロ。21歳。