県の実験中、おりに入りセンサーカメラで撮影されたニホンジカ(県提供)

 徳島県は、携帯電話を使って遠隔監視や操作ができる有害鳥獣駆除用のわなを民間企業と共同開発した。おりに獲物が入ると携帯電話に画像が送信され、メールで指示を出すとゲートが閉じる仕組み。近く市販される予定で、県は、初心者でも安全で負担が小さく、食害の低減につながると期待している。

 開発したわなは、おりのゲートを閉じるセンサーを改良し、通信機能付きセンサーカメラを組み合わせた。おりにシカやイノシシが入ると、センサーカメラが反応して写真を撮り、携帯電話やパソコンにメールを自動送信。狩猟者は、ニホンカモシカなど狩猟対象外の動物ではないことを確認した上でメールで指示を送り、ゲートを閉じるセンサーを起動させて捕獲する。

 県立農林水産総合技術支援センター(石井町)と鳥獣害対策商品を扱うアイエスイー(三重県)が共同で考案し、2017年9月から18年2月まで美馬市や那賀町の山中で実験を繰り返して実用化した。

 遠隔監視により山奥のわなを毎日見回りする負担が軽減されるほか、捕獲後、速やかに解体すれば、品質の高い野生鳥獣肉(ジビエ)として販売できるメリットがある。

 7月の発売を予定し、価格は20万円超になる見通し。おりの中の様子を動画で確認できる類似商品は約100万円で販売されており、低コスト化を実現した。

 開発に携わったセンター資源環境研究課の藤井栄主任は「わな猟は技量が求められるが、このわなは初心者でも使いやすい。警戒心が強く、わなにかかりにくい成獣の捕獲やジビエ利用の促進につながれば」と話している。