日本大アメリカンフットボール部の守備選手による悪質な反則問題で、関東学生連盟が処分を決めた。

 内田正人前監督と井上奨前コーチを罰則規定で最も重い永久追放に相当する「除名」とした。

 危険なタックルをした宮川泰介選手とチームは、条件付きで2018年度シーズン終了まで公式試合の出場資格停止処分となった。

 宮川選手は、パスを投じた後で無防備だった関学大クオーターバック(QB)に背後から激しくタックルし、腰などに全治3週間のけがを負わせた。

 意図的にQBにダメージを与える行為からは、勝つためには危険な手段も辞さない姿勢が見て取れる。

 フェアプレー精神のかけらも見られない。日大は厳しく反省すべきである。

 宮川選手は会見で、井上前コーチを通じて内田前監督から「つぶせば(試合に)出してやる」と伝えられたことを明らかにした。「つぶせ」などの指示を「けがをさせろ」と解釈したという。

 内田氏は宮川選手への反則の指示を否定していたが、学連は「内田氏の供述は虚偽である」とし「反則を容認していた」と認定した。

 日大は処分を重く受け止め、再発防止策を講じなければならない。

 学連は、再発の危険がないことや抜本的な組織改革などが認められれば、処分を解除するとしている。

 一方、学連所属の1部リーグ監督会は、日大が復帰しても、各チームが納得できる組織改革が行われなければ、対戦を拒否する方針だ。

 中途半端な改革が認められないのは当然である。いかにチームの体質を改善し、再生させるかが課題だ。

 学連は「内田氏に対して選手やコーチらは何も言えない状況だった」と指摘し、選手一同が出した声明文では「その指示に盲目的に従ってきた」などとしている。

 内田氏は大学で人事担当の常務理事を務めるなど、学内で絶大な権限を持っていた。

 独断専行があっても歯止めがかからない状況を許した日大のガバナンスも問われる。

 事件を受けて、日大内部でも権力の集中を問題視する動きが出てきた。日大教職員組合は、田中英寿理事長の辞任や内田氏の常務理事解任など上層部の一新を求める要求書を、理事長宛てに提出した。

 日大は内田氏が常務理事を辞任したと発表したが、それで済むものではあるまい。

 関学大の選手側は内田氏と井上氏について、傷害容疑の告訴状を警察に提出した。

 気になるのは、学生への影響である。真面目に学業に励んできた学生まで、就職活動などで不利益を被ることがあってはならない。

 志望する受験生に動揺を与える可能性もある。

 日大には、大学全体の問題ととらえて改革を進めることが求められる。