ティー・ツーが開発し、販売を始めたドッグフード「SIKARON」

シカ肉のドッグフードを商品化した松村さん(左)と望月さん=美馬市脇町

 ペットフード製造販売のティー・ツー(美馬市)が、県西部で捕獲されたシカの肉や骨を使ったドッグフードを開発し、販売を始めた。シカ肉はタンパク質が豊富で脂質が少ない特長があり、愛犬の健康を気遣う飼い主にアピールする。猟師の収入を増やし、地域の課題として深刻化している有害鳥獣被害の抑制にもつなげたい考えで、2019年3月末までに月商150万円を目指す。

 「SIKARON(シカロン)」の商品名で、ジャーキー(100グラム、税込み1080円)、サイコロステーキ用冷凍もも肉(200グラム、1780円)など8種類を展開する。シカ肉をミンチにして県産米粉と混ぜ合わせ、刻んだ鳴門ワカメなどを入れて焼き上げたクッキー(300グラム、1780円)などもある。着色料や添加物は使っていない。

 ティー・ツーは、美馬市脇町でカフェを営む望月泰樹さん(40)と、中学の同級生だったシステム保守会社社長松村哲州(まさくに)さん(40)=東京都中央区=が2月に設立した。2人は共に兵庫県出身。05年に望月さんが徳島県内に移住した縁で、今回の事業に発展した。

 野生鳥獣肉(ジビエ)料理に使われるのはシカ1頭の8%ほどしかないことから、余った肉や心臓、骨などをドッグフードとして活用できないかと考えたという。

 美馬、三好、阿波の各市にある解体処理施設と契約し、捕獲されて1時間以内に運び込まれたシカの肉や骨を施設から買い取り、美馬市脇町の工場で加工する。

 5月に望月さんのカフェ「ラヴィングカフェ」で店頭販売を始めたほか、インターネットショップもオープンした。近く同市内で委託販売も始める。今後は商品を30種類まで増やし、海外への販路拡大も視野に入れて市場調査を行う。工場での地元雇用も予定している。

 ティー・ツーの社長を務める松村さんは「愛犬の健康増進とともに、有害鳥獣駆除や高齢化が進む猟師の所得向上などにつなげ、地域の活性化に貢献できれば。徳島ブランドとして世界に発信していきたい」と話した。