高齢者に食料品などを販売する「みまもりレモン」のスタッフ=石井町藍畑

 石井町石井の知的障害者通所施設「れもん」が、高齢者宅に食料品などを届けながら安否確認を行う移動スーパー「みまもりレモン」を始めて1年がたった。きめ細かいサービスに利用者の評判は上々で、売り上げは当初目標の2倍近い1170万円に上った。4月には販売車を増台するなど、事業は軌道に乗っている。

 スタッフは現在、通所者6人と職員5人。週4日、同町のスーパーから買い取った生鮮食品や日用品約700点を車に積んで訪問しており、同町のほか徳島、美馬両市と上板町の88世帯が利用している。

 「このメーカーの商品がいい」「次は線香を買ってきて」といった個別の要望にも応じており、利用者に好評だ。売り上げは一日平均5万円前後あり、昨年6月以降は毎月100万円を売り上げている。利用増に対応するため、4月中旬に石井町専用の2号車を購入した。

 スタッフと利用者のつながりも強まっている。施設職員の塚原唯さん(29)は「買い物の用件以外の雑談も多くなってきた」と話す。最近では、車の到着を知らせる音楽を流す前から待っている利用者もいる。

 見守り活動では、「体調が悪そうだ」「食欲が落ちていると話していた」といった様子を利用者の介護に当たる人らに知らせている。石井町内の女性(96)は「足が悪い者の味方。決まった日時に来てくれるので安心感がある」と言う。

 通所者にとっても利用者からの感謝の言葉が活力になっているという。塚原さんは「利用がさらに増えてくれれば、通所者の自立支援にもつながると思う」と今後を見据えている。

 移動スーパーは2014年5月、施設を運営する社会福祉法人カリヨンと町が高齢者の見守りや買い物支援に関する協定を締結してスタートした。町が高齢者のみの世帯の情報などを本人同意の上でカリヨンに提供。県の障害者就労支援事業を活用して販売用ワゴン車を購入するとともに、施設が高齢者宅を回って利用登録を呼び掛けた。