ドメスティックバイオレンス(DV)被害者らを支援するため、鳴門市が女性子ども支援センター「ぱぁとなー」を開設して5年が過ぎた。DVの認知度が高まってきたこともあって、2014年度末までに延べ2万3千件以上の相談が寄せられた。相談者の年齢層の幅が広がる傾向も見られ、センターは「潜在的な被害はまだまだ多い」と分析。引き続き啓発に力を入れていく。
 
 ぱぁとなーによると、発足した10年度に延べ1625件だった相談件数は、12年度に5千件を超え、13年度は6360件、14年度は5860件に上った。発足当初は身体的暴力の悩みが多くを占めていたが、最近は言葉による暴力の相談も増えてきている。
 
 相談者の年代をみると、30代が30%以上を占め最も多く、40代が続く。13年度までは10代の割合が2%、60~80代は5%だったのに対し、14年度は10代が4%、60~80代が11%と増えているのが目立つ。
 
 ぱぁとなーは、四国の市町村で初めての女性支援センターとして発足。11年4月からは児童虐待などの相談にも対応している。相談員を初年度の3人から6人に増やすなど体制を強化している。県によると、県内の市町村でDV相談などを担う組織を設けているのは鳴門市と阿南市だけ。
 
 来所のほか、電話やメールでも相談を受け付けている。「ひとりでさせない、行かせない」をモットーに、弁護士への相談や警察への報告、児童手当の申請などにも同行する。
 
 20代から夫の暴力や女性関係に悩んでいた市内の女性(67)は、60歳近くになって離婚調停を申し立てたが、夫は協議を拒否した。センター相談員の野口登志子さんに相談したところ、裁判に持ち込むことになり、5年前に離婚が成立した。「一人だったら心細かったけど、野口さんはとても親身で、どこへでも付いてきてくれた」と振り返る。
 
 ぱぁとなーは今後、加害者を増やさない活動も積極的に行う。野口さんは「少しでも悩みがあれば、一人で抱え込まずに相談してほしい」と呼び掛けている。センターへの問い合わせなどは<電088(684)1413>。