祖谷地方を舞台にした映画「祖谷物語」の一場面(ニコニコフィルム提供)

 三好市出身の蔦哲一朗監督(30)=東京都中野区=が、映画「祖谷物語-おくのひと-」で、第24回日本映画批評家大賞の新人監督賞を受けた。作品は、韓国ソウルの映画祭「グリーン・フィルム・フェスティバル」でも、準グランプリに当たる「スペシャル・メンション」を受賞。2013年の作品公開後、国内外の各映画祭などでの受賞は7回目を数え、高い評価を受け続けている。
 
 日本映画批評家大賞の審査は4月末にあり、蔦監督は「地元徳島を舞台に100年後、1000年後まで残る名作を製作しようとする志を持っている」と評された。

 また作品が35ミリフィルムで撮影されたことについて「デジタル撮影が多い昨今、あえて反旗を翻し、本当の『映画らしさ』を追求するために35ミリフィルムでの撮影を敢行している」と、専門家から高い評価を得た。

 映画批評家大賞は、映画評論家やライターらが選考。過去の新人監督賞受賞者には「風が強く吹いている」の大森寿美男さん、「阪急電車 片道15分の奇跡」の三宅喜重さんらがいる。

 一方、環境をテーマにしたグリーン・フィルム・フェスは5月に催され、「祖谷物語」は「人と自然の共存を通して『本当の豊かさ』を映し出した」と絶賛された。

 「祖谷物語」は人間と自然の共生をテーマに、11年秋から翌年夏まで祖谷地方でロケした蔦監督の長編デビュー作。13年に東京国際映画祭で特別表彰、14年にはノルウェーのトロムソ国際映画祭で最高賞、英国のパンアジア映画祭で最優秀作品賞に輝いた。

 蔦監督は相次ぐ受賞について「祖谷の人々、山々には感謝してもしきれない。今後も製作を通じて徳島の魅力を伝え、活性化につなげたい」と話している。