再生した棚田で田植えに取り組む応援団のメンバー=那賀町相名

 ホタルが舞う景観をよみがえらせようと、那賀町の住民らでつくる「地域再生塾丹生谷応援団」が同町相名地区の棚田の再生に乗り出した。一帯は以前、約50アールの棚田が広がり、夏にはホタルが飛び交っていたが、7年前に耕作が行われなくなってからそんな風景は失われた。応援団は、同地区の耕作放棄地を借りてもち米栽培を始め、ホタルの繁殖にも取り組んでいる。

 応援団は2014年5月、森本智恵子さん(68)から耕作放棄地2アールを借り、崩れた石積みを修復したり、シカ用の防護ネットを張ったりした。

 今年4月からは山下勝也団長(62)=同町横石、農業=が中心となって、芝生の生い茂った田を掘り起こすなどし、再生させた。今月22日には、メンバーの大学院生らが手作業で苗を植えた。9月下旬に約70キロの収穫を見込んでいる。

 別の棚田には14年10月、水を張り、ホタルの幼虫40匹と餌となるカワニナ約1キロを放った。

 活動の発端は、13年に応援団が催した写真と俳句のコンテスト。応募作品の中に相名地区のかつての棚田風景を収めた写真があった。興味を持ったメンバーが現地を訪れ、景観に感動。「蛍の棚田プロジェクト」と名付け、棚田再生に取り組むことを決めた。

 活動の成果は徐々に表れている。今年5月27日夜、水田の周辺でホタル数匹が飛んでいるのを応援団コーディネーターの高田栄治さん(62)=徳島市南昭和町3=が見つけた。森本さんは「懐かしい風景が戻りつつある」と喜ぶ。

 高田さんらは「棚田の景観とホタルの乱舞が楽しめる名所にしたい」と意気込む。来年から水田を広げることも検討している。