夕日に染まる大鳴門橋。主塔には開通30周年を祝うライトアップの照明がともる。手前が鳴門市=6日午後7時18分

 鳴門市と兵庫県淡路島を結ぶ大鳴門橋が開通して8日で30年を迎える。2014年度末までの累計通行台数は1億6307万3828台に上り、1日平均の通行量は6年連続で2万台を超えている。明石海峡大橋とともに本州と四国をつなぐ大動脈として物流や観光を支える一方、都市部への人口や消費の流出が進んだ。

 本州四国連絡高速道路(神戸市)によると、1985年度から97年度までの1日平均通行量は1万台以下で推移。明石海峡大橋が開通した98年度に1万6527台に増え、高速道路の「休日上限千円」が始まった2009年度には初めて2万台を超えた。13年度は過去最高の2万3792台、14年度もそれに次ぐ2万3626台を記録した。

 14年度の年間通行量(約862万台)は神戸-鳴門、児島-坂出、尾道-今治の本四3ルートに架かる橋の中で、明石海峡大橋の約1258万台に続いて2番目に多かった。

 開通で徳島県に最も大きな効果をもたらしたのは観光面だ。県外からの入り込み客数は、開通前の1984年は467万人だったが、2013年は693万人になった。調査地点が減少したにもかかわらず、1・5倍に増えた。

 一方、人口流出に影響を及ぼした。県内の転入者数から転出者数を差し引いた社会増減は、開通前10年(1975~84年)は年平均1146人のマイナスだったが、開通後30年間はマイナス幅が1416人に広がった。直近10年間(2005~14年)は1987人に上っており、利便性の向上が流出に拍車を掛けているとみられる。

 明石架橋後は、大商業地の大阪や神戸に高速バスやマイカーで出向く買い物客が増加。消費流出が徳島市中心部をはじめとする県内商店街の衰退を招き、地域の課題となっている。

 大鳴門橋は1976年7月に着工し、総工費約1050億円で85年6月に完成。長さ1629メートルで、当時は「東洋一のつり橋」として話題を集めた。