【上】新居で近くの住民と会話を弾ませる島津さん(左)【下】改修を終えた古民家=いずれも佐那河内村根郷地区

 空き家を活用した移住支援に取り組む佐那河内村の根郷地区で、徳島市から移り住んだ夫妻が暮らす築百年の古民家(木造2階建て)の改修が終わった。瓦ぶきの屋根など昔の趣を残しつつ、軒先に木製の縁台を設置するなど地域住民が立ち寄りやすい工夫が施されている。

 移住したのは、建築士島津臣志さん(35)美樹さん(30)夫妻。村の補助事業を活用し、住宅兼事務所として島津さん自ら設計した。地元の移住者支援グループ「ねごう再生家」の協力も得て、2月に改修に取り掛かった。
 
 住民が気軽に訪れ、中の様子がうかがえるよう、1階の事務所部分の道路に面した位置に透明の大きな窓を配置。外には「いっきゃく」と呼ばれる縁台を置き、夕涼みをしたり座って話を楽しんだりできるようにした。
 
 扉やサッシの多くはそのまま使い、床板の一部をテーブルの天板に用いるなど、多くの部材を再利用しているのも特徴。事務所部分には昔ながらの土間を取り入れた。
 
 夫妻は5月末に入居し、6月7日に地域住民に披露した。
 
 隣に住む安喜健一さん(88)は「新しい人が住んでくれると地域が明るくなる」と歓迎。島津さんは「自然豊かな風景が気に入っている。地元の人たちとの交流が楽しみ」と話している。
 
 村移住交流支援センターは貸し出し可能な空き家の掘り起こしを進めていて「今回の事例をモデルにして、若者世代の移住促進につなげたい」としている。