模擬選挙で投票を体験する大学生。来夏の参院選では実際に選挙権を持つ=1月、鳴門教育大

 選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公選法が17日に成立したことを受け、徳島県内の若者の間には不安や期待、戸惑いなどさまざまな思いが交錯した。政治に対する若者の関心をいかに高めるかが課題となっており、教育関係者は「責任は重大」と主権者教育の充実を誓った。

 来年夏の参院選で初めて適用される見通しの改正公選法。県内では18、19歳の未成年者約1万3千人が新たに有権者に加わる。

 「若者が政治に興味を持つようになるのは良いこと。私も勉強して投票に行きたい」と話すのは、四国大生活科学部2年の前田真希さん(19)。徳島大工学部1年の立石義憲さん(18)は「そもそも政治に関心がなく、選挙権を与えられても投票には行かない。年齢を引き下げる意味はないのではないか」と語った。

 未成年で投票することへの困惑の声も上がった。候補者の主張を理解し、自分で判断して1票を投じることができるか。「自信がない」と話すのは城南高2年の樫福千尋さん(16)。授業で政治について学んでも「先生の考えに従うことになりそう」と懸念する。
 一方、若い世代の意見が政治に反映されることを喜ぶ若者も。城西高2年の岸本武君(16)は「友達や家族と一緒に投票には行きたい。今は政治の話をしないけど、これから知識を付けていく」と意欲を示した。

 政治離れが深刻な若年層をどう投票に向かわせるかが課題となる。昨年12月の衆院選では、20~24歳の県内投票率は25・76%。有権者全体の47・22%に比べ、大幅に下回った。

 県教委は若者の政治参加への意識を高めるため、高校での「模擬投票」を実施するなど主権者教育に取り組む方針を示している。県高校長協会長を務める川島高の町口雅治校長(59)は「在学中にほとんどの生徒が選挙権を持つ。投票することや選挙の意義などを1年生からしっかり教えたい」と話す。

 県高等学校教育研究会社会科学会長を務める阿波西高の北池清剛校長(59)も「教育現場の責任の重さを感じている。多くの若者の声が反映され、生徒にも社会にもプラスとなるような指導をしていかなければならない」と力を込めた。