国の名勝に指定されることになった大歩危=三好市山城町西宇

 文化審議会(宮田亮平会長)は19日、三好市の渓谷「大歩危」を国の名勝に指定するよう下村博文文部科学相に答申した。徳島県関係では、阿南市の遍路道「かも道」を国史跡の「阿波遍路道」に加えるなど3件の追加指定も答申された。近く告示される。

 県内の名勝は1931年に指定された鳴門(鳴門市)、41年の旧徳島城表御殿庭園、2000年の阿波国分寺庭園(以上徳島市)と合わせて4カ所になる。大歩危は14年に国の天然記念物になっており、名勝との重複指定は県内初。観光面での知名度がさらに高まりそうだ。
 
 大歩危は吉野川の両岸から急な斜面と岩壁が迫る渓谷。江戸時代は通行の難所だったが、明治中期以降に道路と鉄道が川岸に開通したことで景勝地として有名になった。
 
 名勝の指定範囲は、国天然記念物と同じ三好市山城町西宇~同市西祖谷山村徳善西の吉野川約500メートルとその両岸で、面積は約3万6千平方メートル。三好市教委が文献を調べるなどして近代から景観の価値が知られていたことを裏付け、1月に文化庁に申請した。
 
 かも道は阿南市加茂町の一宿寺(いっしゅくじ)と四国霊場21番札所・太龍寺を結ぶ古い遍路道。全長4・4キロのうち1・34キロの区間を国史跡に追加するよう答申を受けた。南北朝時代の記念銘を持つ丁石(札所までの距離を示す道標)が残り、四国遍路の歴史上重要なルートとして認められた。太龍寺と22番札所・平等寺(阿南市新野町)を結ぶ「平等寺道」などと合わせ、国史跡の県内の遍路道は延長8・59キロになる。
 
 ほかに国史跡の「勝瑞城館跡」(藍住町勝瑞)、国天然記念物の巨樹「野神の大センダン」(阿波市阿波町)が追加指定の答申を受けた。それぞれ従来の指定範囲が広がる。