値下げした商品が並ぶスーパーの陳列棚=北島町のフジグラン北島

 徳島県内に出店する県外大手スーパーが今年に入り、食品や日用品を相次いで値下げしている。背景にあるのは、消費者に根強い低価格志向と、食品を扱うドラッグストアやディスカウントストアなどを含めた競争の激化。固定客の獲得につなげようと各社が攻勢を強める。これに対して、県内スーパーは「戦い方が違う」「既に大手より安値で販売している」などと静観の構えだ。

 「毎日が安い!お値打ち価格」。フジグラン北島(北島町)の食品売り場では、黄色いポップ広告がひときわ目を引く。運営するフジ(松山市)は5月1日から、大手メーカーの冷凍食品や飲料など300品目を1~2割値下げした。

 ゆめタウン徳島(藍住町)を運営するイズミ(広島市)もその2週間後、プライベートブランド(PB)「くらしモア」を中心に調味料やパン、生鮮品など340品目の価格を1~2割下げた。

 イズミの広報担当者は「個人消費が足踏み状態の中、毎月いろんな物が値上げされている。少しでも家計に貢献したい」と理由を説明する。

 ともに消費者の反応はいいと言う。フジでは県内4店舗の5月の対象商品販売数が前月より5~20%増加。1点当たりの粗利は下がるものの、販売数量を増やして利益を確保している。

 流通大手イオングループは「消費者の節約志向は根強い」と、2016年11月から複数回にわたってPB「トップバリュ」の値下げを実施している。

 県内では、イオンモール徳島(徳島市)のスーパー・イオンスタイル徳島とザ・ビッグ3店、マルナカ26店で扱う。今年1月にも食料品と酒類、日用品計100品目を追加して対象を363品目に拡大。全国で1カ月の売り上げを1・3倍、対象商品販売数を1・6倍に伸ばした。

 各社が競うように値下げをするのは、消費の伸び悩みに加え、全国で市場を拡大させているドラッグストアやディスカウントストアの存在が大きい。

 県内でも、四国経済産業局がまとめたドラッグストアの販売額は16年3月から25カ月連続で前年同期を上回っている。この間、店舗数は8店増の75店となり、売上総額は12・5%増加。百貨店・スーパーが3店増の30店で売上総額が6・7%増だったのに対し、勢力の拡大が目立つ。

 ドラッグストアの利用率が高い子育て世代をターゲットに、弁当用に需要がある冷凍食品や菓子などを値下げしたというフジの広報担当者は「安くていい物があると認識し、毎日足を運んでもらえればうれしい」と話す。

 こうした動きに対して、県内大手のキョーエイ(徳島市)は「他社の動向を見て価格を決めているが、深追いはしない。イオンやイズミのような総合スーパーとは戦い方が違う」とする。別のある経営者は「元々の価格を大手スーパーよりも安くしてある」と強調した。対抗すればさらなる価格競争を招く恐れもあるだけに、冷静に状況を見極めている。