徳島県議会6月定例会の代表質問が行われた。

 現在4期目の飯泉嘉門知事は、来年5月までの任期が残り1年を切った。長期に及ぶ飯泉県政を今後総括していく必要がある。今回の代表質問はその皮切りとして注目されたが、納得のいく答弁があったとは言い難い。

 加えて、18日に起きた大阪府北部地震に関連する質問がなかったのは理解に苦しむ。県民感覚とあまりにずれていまいか。

 昨年来の懸案であるとくしま記念オーケストラ事業を巡る問題は、まったく進展がなかった。

 知事は基金の透明性の低さや、音楽プロダクションの元代表取締役、川岸美奈子氏を政策参与に任命した責任を「反省点」として挙げた。

 その上で、新たな音楽イベントを開催する考えなどを示し、「公平性、透明性の高い県民目線に立った事業を展開していく」と述べた。

 川岸氏が県の音楽事業になぜ深く関わるようになったのか、なぜ記念オケの事業費が膨らみ続けたのか。肝心なことは今回も明らかにならず、事実解明に消極的な姿勢だけが目立った。

 飯泉県政15年の中で、公費の使途が最も不透明で不可解とされる事業である。議会は追及を続けていかなければならない。

 小中学生の保護者が強い関心を示す公立普通科高校の学区制度の在り方については、2020年度の入試から「制度の改善」に着手するとの答弁を引き出した。

 現行の3通学区は、遠距離通学の抑制や地元高校の育成に一定の効果がある半面、生徒が切磋琢磨する機会をそいでいるとも指摘されている。

 ただ県教委がどう「改善」するか、その具体像は明かされなかった。現在の中学2年生からが対象となる。今定例会中に突っ込んだ議論をしてもらいたい。

 旧優生保護法に基づき障害者らへの強制不妊手術が繰り返された問題や、地域の子どもらに無料か安価で食事を提供する「子ども食堂」の支援を質問で取り上げたのは時宜にかなうものだった。

 強制手術については「国の動向を注視」にとどまったが、子ども食堂は県内関係者による組織を発足し、支援方法を検討することになった。一歩進んだ意味は大きい。

 大阪府北部地震では、高さが法基準に反していた小学校のブロック塀が崩れ、下敷きになった小学4年生の女児が亡くなった。

 同じ直下型の地震では、県は昨年、中央構造線を震源とする地震が発生すれば死者は最悪で3440人に達するとの予測を公表している。

 崩壊する恐れのあるブロック塀は県内にどの程度あるのか、どんな対策が取れるのかなど、県にただすべき点はいくらでもあったはずだ。

 質問項目が事前に固まっていたとしても、臨機応変に対応する必要があるだろう。