徳島県のとくしま記念オーケストラ事業を巡り、県から事業の委託を受けた県文化振興財団が2013~16年度、各年度の当初計画を大幅に上回る事業費の支出を、理事会の承認を経ずに決めていたことが分かった。22日の県議会一般質問で上村恭子氏(共産)が指摘した。未承認で支出された事業費の増額分は4年で2億9189万円に上る。 

 財団などによると、13年度の事業費は当初、定期演奏会1回分の2203万円だったが、サッカーJ1に昇格した徳島ヴォルティスのホーム開幕戦での演奏やニューイヤーコンサートなど8事業を年度途中に追加し、最終的に4倍の9131万円に膨れ上がった。

 その後も年度途中の事業追加が繰り返され、増額分は14年度1597万円(総額1億37万円)、15年度3482万円(1億7411万円)、16年度1億7181万円(3億1315万円)に上った。

 財団の会計処理規程では、予算の補正が必要な場合は理事会での承認を得なければならないとされている。

 財団側は「当初計画の段階では一定の枠組みだけが決まり、その後に事業内容が固まって増額された可能性があるが、詳しい経緯は分からない。理事会には事業を終えた後の報告段階で説明し、了承を得ている」と説明。会計規程を守らず、増額を繰り返した財団の姿勢は、事業費支出に対する甘いチェック体制を改めて示した。

 記念オケ事業を巡っては、音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」(東京、解散)の川岸美奈子元代表取締役が事業を事実上取り仕切っていたとの指摘がある。事業費が膨らんでいった経緯は明確ではないが、県の試算によると、川岸氏側には財団が業務委託した業者を経由し、事業費として13年8月からの3年間に約3億6800万円が支払われている。

 また、県議会一般質問で上村氏は、音楽プロダクションと川岸氏が脱税容疑で告発され、有罪判決を受けたことを取り上げ、財団がプロダクションと契約する際に納税証明書を確認していなかったことを問題視した。板東安彦県民環境部長は「財団は全ての取引相手に納税証明書の提出を求めているわけではない」と答えた。

17年度 総額2億968万円支出

 徳島県は22日、とくしま記念オーケストラ事業の2017年度事業費が総額2億968万円だったことを明らかにした。記念オケが発足した11年度からの事業費の累計額は計9億3468万円になった。

 17年度は定期演奏会やニューイヤーコンサート、ベートーベン「第九」アジア初演100周年記念演奏会など、演奏会6回と演奏指導を実施している。

 16年度まで事業に関与した東京の音楽プロダクションが脱税容疑で摘発されたことを受け、楽団員の手配や演奏料の支払いといった事務を県と県文化振興財団が直接担った。

 演奏会の回数や規模が違うため単純比較はできないが、16年度の事業費は3億1315万円だった。

 県議会6月定例会で上村恭子氏(共産)の一般質問に板東安彦県民環境部長が答えた。