成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法などが成立した。施行は2022年4月1日だ。明治以来、続いた大人の定義が変わる。

 18歳以上に引き下げた選挙権年齢と合わせて、若者の積極的な社会参加を促す狙いがある。

 少子高齢化が進む中で、高校生を含めた若者が、成人として社会で責任ある役割を果たすのは、時代の要請だと言えよう。

 もちろん、その分、自覚も求められる。法律の知識も養い、悪徳商法などから身を守ることが大切だ。

 成人となる18、19歳は、親の同意がなくてもローン契約などを結べる。親の同意がなければ契約を取り消せる「未成年者取り消し権」からも外れることになる。

 被害を防ぐため、改正消費者契約法も成立した。恋愛感情に乗じた「デート商法」による悪質な契約を取り消せる規定などを設けており、19年6月から施行される。

 若者が「賢い消費者」になるための教育も欠かせない。

 徳島県内の高校では昨年度から、消費者庁が作った若者向けの消費者教育の教材「社会への扉」を使った授業が行われている。全国に先駆けた取り組みであり、その成果に期待したい。

 教育現場では指導面の混乱も心配される。高校3年の教室には、法律上の「大人」と「子ども」が混在することになる。生徒指導や進路相談を巡り、成人と未成年の対応に違いが出る可能性がある。

 林芳正文科相は「高校での指導は生徒が成人年齢に達したかにかかわらず、父母と連携して行うことが重要だ」と国会で答弁。在学中の指導は18歳になった後も父母と協力するとの誓約書を書いてもらうことも考えられるとした。

 生徒にも父母にも不満や不安が生じない指導体制づくりが、大事である。

 ほかにも、離婚した親からの養育費の支払いが18歳で打ち切られ、学費に窮する学生が増えるのではないかとの不安の声もあるようだ。

 若者に思わぬ不利益が生じる恐れは否定できない。

 民法の成人年齢はさまざまな法律で引用される基準だ。年齢の引き下げにより、司法書士、行政書士などの資格が18歳でも取れるようになる。

 その一方で、飲酒と喫煙のほか、競馬、競輪など公営ギャンブルは、現行の20歳未満禁止を維持する。健康や依存症への懸念からだ。

 次の焦点となるのは、適用年齢を20歳未満から18歳未満へと引き下げる少年法の改正である。法制審議会で議論されており、政府は早ければ19年の成立を目指す。

 考慮すべき事柄は、多岐にわたる。ところが、18歳成人に関して、国民の理解が深まっているとは言い難い。

 政府の周知が足りないからではないか。飲酒など禁止事項と「成人」との兼ね合いをどうするかについても、国民的合意の形成が必要だ。