オオちゃんをひと目見ようと集まった人たち=8日、大潟漁港

 アゴヒゲアザラシの「オオちゃん」=写真=が、阿南市大潟町の大潟漁港で最後に目撃されてから、16日で丸10日が過ぎた。専門家らの間では「オオちゃんは既に大潟を去ったのでは」との見方もあり、漁港に居着くことを期待していた地元住民らからは落胆の声が上がっている。
 
 観測を続けている住民によると、オオちゃんが確認されたのは、3日朝と6日朝だけ。「オオちゃん出現」が報じられた4日以降、漁港には大勢の家族連れや写真愛好家らが訪れたが、実際に見ることができた人は少なかったようだ。台風11号が四国に接近した16日は訪れる人もなく、近くの住民が時折様子をうかがうだけだった。
 
 2005年から約9カ月間、那賀川河口に居着いたナカちゃんと比べると、オオちゃんは姿を見せない期間が長い。国土交通省那賀川河川事務所発行の冊子「ありがとうナカちゃん」によると、ナカちゃんの姿が確認されなかったのは最長6日間で、オオちゃんは既にこれを上回っている。
 
 何度も漁港に足を運んだ「ナカちゃんを語り継ぐ会」の吉岡真里会長(56)=同市那賀川町=もオオちゃんを見ないまま。「台風で波が高いためどこかに隠れているのかも。台風の後に出てきてくれないだろうか」
 
 オオちゃんの顔を模したパンを売り出した菓子店もみじやの岡澤孝浩社長(46)=同市富岡町=は「一日30個ほど売れているが、オオちゃんが現れてくれたら、もっと売れたかも」と残念そうに話す。販売は当面継続する予定だ。
 
 県立博物館の佐藤陽一自然課長は「6月下旬に和歌山県串本町の海岸でよく似たアザラシが目撃されていて、同一個体と思われる。和歌山も阿南もたまたま立ち寄っただけなのかもしれない」と話している。