テレワークの実証事業の拠点として活用する旧川崎小学校の校舎=鳴門市大麻町

 障害者の在宅就労に取り組む鳴門市のNPO法人・JCIテレワーカーズネットワークは、時間や場所にとらわれない働き方「テレワーク」を通じて、都市から地方へ人と仕事を移す実証事業を行う。8月上旬に同市内に拠点を開設し、都市部の企業の本社機能の一部と社員が移る。新たな雇用につなげることも目指しており、テレワークの基盤づくりを進める。

 開設する拠点は「とくしまテレワークサポートセンター」と名付け、閉校した旧川崎小学校(同市大麻町)校舎3階の教室と準備室を市から借り受ける。同NPOが都内のデータセンターに設置しているテレワーク用の情報通信技術(ICT)基盤を移設して、作業スペースなどを整備する。
 サポートセンターに移るのは、都内に本社があるIT企業「インフォ・クリエイツ」で、社員2人が鳴門市内に移住する予定。社員はテレワークで業務に当たり、ICT基盤の移設や機能向上などを担うとともにセンターの運営スタッフを養成する。

 事業では、移住する社員の快適な暮らしを支えるため、耐震改修などを施した空き家2軒を用意するほか、地域の防災や子育て、医療、観光などに関する情報を提供するポータルサイトを開発する。

 センターは今後、首都圏の企業に対する営業活動を行い、障害者らがテレワークでできる仕事の受注を目指すほか、テレワークの導入を希望する企業から相談を受け付けたり、人材育成に向けた講習会を開いたりする。

 同NPOの猪子和幸理事長は「地域に密着した徳島型のテレワークのモデルをつくり、全国に発信したい」としている。

 事業は総務省の「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」で、全国で15団体が実施する。四国では同NPOだけで、県や同市、IT関連企業、NPO法人などと共同で取り組む。事業費は約3700万円。