過労死の防止に最も効果的な対応策とされるのが、終業から次の始業の間に一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」だ。ところが、制度の周知不足もあって企業の導入状況は思わしくない。

 厚生労働省の2017年調査では、「制度を知らない」とした企業が4割に上り、「導入の予定もなく、検討もしていない」との回答が9割を超えた。

 こうした状況を改善するため厚労省は、過労死防止対策大綱の改定案に「勤務間インターバル制度」の導入促進を掲げ、数値目標を初めて明記した。

 従業員30人以上の企業を対象に「20年までに導入企業の割合を10%以上に高める」という内容だ。政府は7月ごろの閣議決定を目指している。

 過労死や過労自殺をなくす取り組みは、国の責務である。労働者の命と健康を守るためにも制度の浸透を図るとともに、数値目標の達成に向けて全力を挙げる必要がある。

 厚労省の改定案には、パワハラやセクハラなど職場のハラスメント(嫌がらせ)対策の強化も盛り込まれた。

 ハラスメントが過労死に結び付くケースを指摘されての措置だろう。立場の弱い若手労働者への対応やメンタルヘルス対策の充実も含め、職場環境の改善を図ってもらいたい。

 長時間労働が常態化しているとして、メディア業界と建設業が過労死防止に向けた重点業種に追加された。各企業は業務実態や組織体質の改善を進めていかなければならない。