宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機はやぶさ2が、地球から約3億キロ離れた小惑星「りゅうぐう」近くの目的地に到達した。

 2014年の打ち上げから3年半、航行距離は計32億キロに及ぶ。初代はやぶさでは幾つものトラブルに見舞われたイオンエンジンの信頼性を、劇的に向上させたことで、「100点」の往路となった。

 いよいよ探査の幕が切って落とされる。まずは計画の順調な進行を喜ぶとともに、関係者のこれまでの努力をたたえたい。

 小惑星は太陽系が生まれた約46億年前の状態をよく保っているとされ、太陽系の成り立ちや生命の起源を解き明かす手掛かりがあると期待されている。

 小惑星探査では、日本は世界の一歩先を行く。「人類未到の宇宙探査の入り口に立つことができた」とするJAXA研究者の感慨も大げさではなかろう。

 「りゅうぐう」は、直径900メートルほどで、そろばん玉のような形をしている。初代はやぶさが調べた小惑星イトカワと異なり、生命の材料として欠かせない水や有機物を含む物質が多くあると考えられている。

 はやぶさ2は、これから1年半、近くにとどまり、本格的に観測する。9~10月にも着陸して岩石の採取に挑む。地球帰還は20年末ごろの予定だ。

 安全で科学的に意義のある着陸地点の選定など、難しい課題が続くという。それも想定の範囲だろう。驚くような成果を上げ、近年すっかりくすんでしまった科学立国日本の力を、いま一度、世界に示してほしい。