多言語表記された四国交通のバス停・かずら橋。表示板にQRコードも付いている=三好市西祖谷山村善徳

 四国交通(三好市井川町)が運行する一般路線バスで、同市大歩危・祖谷地区方面の利用客が増えている。過疎が進む同市で利用客数が伸びる路線は珍しい。祖谷のかずら橋や大歩危峡などを訪れる外国人観光客の増加が要因とみられ、同社は7月末から12カ所のバス停の表示板に英語、中国語、韓国語の表記を加え、利便性の向上を図っている。

 四国交通によると、三好市を通る8路線のうち、大歩危・祖谷地区を走るのは1路線。3カ月単位の利用客数の集計では、大歩危・祖谷地区方面の4~6月の利用客は、2013年1万8773人、14年2万26人、15年2万2878人と増えている。

 他のシーズンは減少しているものの、気候の良い4~6月は香港や台湾、欧米などの外国人観光客が多く訪れていることから、同社はかずら橋や大歩危などのバス停表示板を多言語表記にした。特にかずら橋の表示板にはQRコードを付け、携帯電話をかざして読み込むと、目的地までの所要時間と運賃を多言語で表示するサービスを行っている。

 県内で最も多い35路線を設けている徳島バスは、鳴門公園線の一部のバス停で外国語表記を取り入れているが、英語のみという。

 三好市の主要宿泊施設5社でつくる「大歩危・祖谷いってみる会」のまとめでは、15年上半期の外国人宿泊者は、過去最高だった14年同期を1651人上回る4206人だった。四国交通は今後も外国人観光客の利用が増えるとみて、多言語表記やQRコード付きのバス停表示板を増やす方針だ。

 四国交通の近藤幸男常務(38)は「きめ細かいサービスで、外国人のリピーターを獲得できれば」と話している。