無投票だった2015年12月の神山町議選を巡る公選法違反(買収)事件で、元町議の山本充良容疑者(77)=同町鬼籠野=が町議の高橋和男容疑者(67)=同町神領=らから現金50万円を受け取った後、一部を使っていたことが5日、関係者への取材で分かった。山本容疑者の現金受領の意思が明確だった可能性がある。

 関係者によると、山本容疑者は16年1月3日ごろに知人に促されて高橋容疑者に50万円を返すまでの間に、現金の一部を生活費などに使っていた。このため返還に当たって、不足分をこの知人から借りる必要があったという。

 町議の1人によると、事件となった金銭授受以外にも、山本容疑者は複数の町議から現金を借りることがあった。別の町議も「山本容疑者にお金がないことは、議員仲間では周知の事実だった」と明かしており、事件当時、生活が苦しい状況にあったとみられる。

 山本容疑者は15年12月下旬、取りまとめ役の高橋容疑者から現金50万円を受け取った。現金は、高橋容疑者ら逮捕・書類送検された町議5人の名前がそれぞれ書かれた5枚の封筒に、10万円ずつ入っていたとされる。

 事件では他に、議長の細井成富(しげとみ)(73)=同町阿野、副議長の中西富士男(61)=同町鬼籠野、町議の相原浩志(72)=同町阿野=の各容疑者が逮捕され、樫本雄一町議(69)=同町下分=が書類送検された。逮捕、送検容疑は、高橋容疑者らは15年12月の町議選を巡って共謀し、同月下旬、立候補を取りやめた報酬として山本容疑者に現金50万円を渡したとしている。