安全保障関連法を批判しながら「選挙でちゃんとした政治家を選ぼう」と話す瀬戸内寂聴さん=京都市の寂庵

 徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(93)が20日、京都市の寂庵で定例の法話を開いた。集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法の成立に触れ、「民意をいかにくみ上げるかが政治にとって重要なのに、今の政権は民の声を聞こうとしない」と安倍政権を批判した。

 寂聴さんは、日本が他国の戦争に加担し、巻き込まれていく将来を自身の戦争体験と重ね、「人が人を殺す戦争は二度とあってはならない」と訴えた。

 参院の特別委員会で採決を強行した政権運営も批判。天台宗を開いた最澄の「己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」との言葉を引用し、「安倍首相のように自分の名前を後世に残すのを目指すのではなく、自分のことを忘れて民がどう求めているかを考え、かなえるのが政治家の役割だ」と指弾した。

 若者による抗議行動を称賛しながら「若い人が頑張っているうちは大丈夫。選挙でちゃんとした政治家を選んで、私たちの子や孫、ひ孫を守っていかなければ」と呼び掛けた。

 この日は約150人が耳を傾けた。質疑応答では「戦争で家族が危険な目に遭うような事態になればどう対応するべきか」との質問があり、寂聴さんは「家族を第一に考え、どんなことがあっても戦場には出ないと心に決めてください」と訴えた。