国会で審議中の健康増進法改正案よりも厳しい東京都の受動喫煙防止条例が成立した。健康を守るための「モデル条例」として地方への波及を期待したい。

 都条例は、従業員を雇っている飲食店は店舗面積にかかわらず、屋内は原則禁煙とした。客席面積100平方メートル以下の既存の小規模飲食店では喫煙を認める国の改正案よりも踏み込んでおり、画期的といえよう。

 都内にある飲食店の84%が規制対象になるという。違反者には罰則(5万円以下の過料)が適用される。

 子どもが通う保育所、幼稚園、小中高校では、屋外の喫煙場所設置も認めない完全禁煙とした。この点も法改正案より厳しく、東京五輪・パラリンピックを控え、強い姿勢を打ち出した。

 たばこが健康に悪影響を及ぼすのは明らかだ。煙には発がん物質など多くの有害物質が含まれる。喫煙や受動喫煙により、肺がんをはじめ、各種がん、脳卒中、心疾患などのリスクが高まることが指摘されている。

 都条例制定を受け、中小の飲食店は「商売が成り立たなくなる」などと、強く反発している。こうした声に対しては、リスクや条例の意義を丁寧に説明することで理解を求めてほしい。

 都条例は段階的に施行され、東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月に全面施行となる。

 たばこの健康被害が注目されているこの機を逃さず、徳島県内でも受動喫煙防止や禁煙への取り組みを加速させるべきだ。

 16年の県の喫煙率は男性が25・5%、女性が4%。男女とも全国平均より低いが、下げ止まりの感もある。

 喫煙が主な原因とされる慢性閉塞性肺疾患(COPD)による県内の死亡率は、13年から15年までは全国で最悪だった。16年はワースト4位で、依然として死亡率が高い状況が続いている。

 県民健康栄養調査では、飲食店と職場で受動喫煙を経験する人が突出して多い。子どもや妊婦、受動喫煙を望まない人たちを疾病から守るためには、これらの場所での禁煙推進が不可欠だ。喫煙者のマナー向上も求められよう。

 県健康増進課によると、県内で禁煙宣言をしているのは飲食店や小売店なども含めて1218事業所(6月25日時点)。徐々に増えてはいるものの、全体からすれば十分とはいえない。

 一方、建物内あるいは敷地内を禁煙としている公共施設は県、市町村とも96%となっている。早期に100%にするべきだろう。

 未成年者の喫煙を防止するためには、学校での防煙教育の充実も急務だ。

 厚生労働省の推計によると、国内では受動喫煙で年間1万5千人が死亡しているとされる。この数字をゼロに近づけるために、あらゆる施策を講じてもらいたい。