「ナラ枯れ」にかかったウバメガシ=美波町山河内

 徳島県は28日、美波、牟岐両町に自生しているウバメガシやシイで、虫が病原菌を媒介する広葉樹の伝染病「ナラ枯れ」(ブナ科樹木萎凋(いちょう)病)の発生が確認されたと発表した。県内での確認は初めて。県の24日時点の調査では、被害は計5・47ヘクタールの約900本に及び、完全に枯死した木もあった。県は近く、両町や森林組合などと連絡会議を発足させ、対策を検討する。
 
 県によると、9月上旬に獣害関連の調査をしていた県職員が、ウバメガシやシイが枯れ、幹に複数の穴が開いているのを発見。穴から採取した虫を森林総合研究所関西支所(京都市)で鑑定した結果、ナラ枯れの病原菌「ナラ菌」を媒介するカシノナガキクイムシと判明した。県内への伝染ルートは分かっていない。

 林業で主に伐採されるスギなどには伝染しないものの、被害が広がれば倒木による影響が懸念される。県は連絡会議を通じて詳細な被害状況を調べるとともに、効果的な防除法を検討する。

 カシノナガキクイムシには「日本海型」と「太平洋型」があり、今回見つかったのは、防除に必要となる誘引剤が開発されていない太平洋型。このため、当面の対策は伐採や殺虫・殺菌剤の注入が中心になるという。

 四国での発生は1950年代に高知県で確認されて以来。昨年の全国調査では27府県で確認されている。

 ナラ枯れを研究している神戸大大学院農学研究科の黒田慶子教授(森林病理学)は「被害規模からみて、数年前から発生していたのでは。被害を減らすためには、地域の特性を踏まえて長期的な視野で対策を立てることが重要だ」と指摘している。