平成で最悪の水害となった西日本豪雨できのう、警察庁は亡くなった人が200人に上ったと発表した。

 河川の氾濫や土砂崩れが各地で同時に多発し、道路の寸断などで救助隊の移動や物資輸送も難航。広範囲に大きな爪痕を残している。

 気象庁が大雨特別警報を出してから、きょうで1週間になるが、被害の全容は十分に把握しきれていない。安否不明者は依然多く、捜索に力を尽くしてもらいたい。

 豪雨は去ったが、予断を許さない状況が続く。広島県府中町では10日朝、流れてきた土砂や流木でせき止められた榎川が氾濫し、周辺住民に避難指示が出された。

 同県福山市や東広島市などでも11日、ため池決壊の恐れがあるとして、住民に避難が呼び掛けられた。

 情報が交錯した面もあったようだが、今なお危険をはらんだ状態にあることを忘れてはならない。

 本県でも、三好市山城町仏子、光兼両地域で地滑りが起きている。斜面が崩落すれば、民家を巻き込む恐れがある。地盤はかなり緩んでおり、いつどこで起こるかは分からない。引き続き警戒が必要である。

 被災地は多くの困難を抱えている。広島、愛媛、岡山の3県では、水道管の破損や浄水場などの冠水によって断水が続いている地域も少なくない。水が確保できなければ生活再建はおぼつかないだけに一刻も早く復旧してほしい。

 不明者の捜索、復旧、自宅の片付けなどが急がれるが、注意しなければならないのはこのところの暑さだ。被災地を含む近畿、中国、四国では今後、35度以上の猛暑日になる地点があるという。

 避難所の中には、冷房施設がない所もあり、早急な対応が求められる。普段とは違う生活を強いられる避難者は疲弊し、不安も尽きない。長期化も見据えて、体調管理はもとより、心理面での支援も欠かせない。

 なぜ、これほど被害が広がったのか。命を守れなかったのか。備えを強化していくためにも、検証を進めることが重要だ。

 岡山県倉敷市真備町地区では、川の堤防が決壊して浸水し、多数の死者が出た。被害が大きかった川の北側に市が避難指示を出したのは、最初の堤防決壊が確認される約4分前だった。想定外の増水とはいえ、住民が逃げ遅れる結果になった。

 愛媛県大洲市では、肱川が氾濫して、4人の犠牲者が出た。安全とされる基準量の約6倍に当たる最大毎秒約3700トンの水が、中流にあるダムから放流されたという。ダムの操作は果たして適切だったのか、情報の共有は十分だったのかどうか。

 大雨に起因する災害は毎年のように繰り返され、想定外の事態も起きている。どこへどう避難すればよいのか。命を守るために、随時見直していかなければならない。