宝塚歌劇団のミュージカル「アナザーワールド」のパンフレットを手にする𠮷﨑さん=大阪市のホテル

 宝塚歌劇団の𠮷﨑憲治さん(84)=徳島市出身=が作曲を手掛けたミュージカル「アナザーワールド」が東京宝塚劇場(東京・有楽町)で開かれている。落語を基にしており、60年近いキャリアを誇る𠮷﨑さんにとってもさまざまなジャンルの曲をちりばめた意欲的な仕事。入団から60年の節目を来年に控え、ますます意気盛んだ。

 アナザーワールドは「地獄八景亡者戯」「朝友」など、死後の世界を舞台にした落語を素材に宝塚歌劇団が制作。両替商の康次郎が恋煩いであの世に行き、恋人のお澄を探す旅に出るラブコメディーだ。康次郎役は星組トップの紅ゆずるさん、お澄役は星組の娘役トップ綺咲愛里さんが務めている。

 𠮷﨑さんは、主題歌「アナザーワールド」や挿入歌、約30曲の作曲を1人で手掛けた。ラテン、マーチなど曲調はさまざま。初めて挑戦した演歌風の曲もある。フィナーレなどで歌われる「ありがたや、なんまいだ」は阿波踊りをイメージしたという。

 公演は東京宝塚劇場に先立ち、4月27日から6月4日まで宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で行われた。𠮷﨑さんは「音楽、芝居、衣装、セットがぴったりときている」と手応えを語る。

 𠮷﨑さんは城北高、武蔵野音楽大を経て1959年に宝塚歌劇団に入団。作曲と指揮を受け持ち、作曲数は約3千に上る。

 「若い団員の成長を見るのが元気の源」という𠮷﨑さん。「創作意欲の続く限り頑張りたい。宝塚の音楽を私自身が示し、若い人たちに伝えていきたい」と意気込んでいる。東京公演は7月22日まで。