政府が決定した2018年版の男女共同参画白書は、2年後に開かれる東京五輪・パラリンピックを控え、スポーツにおける女性の活躍に焦点を当てるものとなった。

 近年、女性アスリートの活躍が目覚ましい。しかし、その栄光の影で、激しい運動に伴う無月経や、出産・育児と競技生活の両立など、数々の課題があることが浮き彫りになっている。

 東京五輪への関心が高まるのに併せ、これまで広く知られてこなかった女性アスリートが抱える課題を社会全体で認識し、支援策を講じていかなければならない。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、14年に採択したオリンピック改革案「オリンピック・アジェンダ2020」で「女性の参加率50%の実現」「男女混合の団体種目の採用の奨励」という二つの男女平等策を掲げている。

 東京五輪では、この方針に基づき、新たに男女混合種目が採用される。全出場選手に占める女性の割合は過去最高の48・8%になる見通しだという。女性アスリートの活躍を印象づける大会となるに違いない。

 白書では、女性アスリートの活躍が進む一方、エネルギー不足や無月経、骨粗しょう症といった女性特有の課題があると指摘する。これらは互いに影響し合っており、放置すると疲労骨折などを招き、競技生活の継続が危ぶまれるほか、生涯にわたってリスクを抱えることになる。

 無月経や疲労骨折は、新体操や体操、フィギュアスケート、陸上長距離など体重管理の重要性が高い競技で多く見られる。日本代表レベルの選手に限らず、多くの選手も同じような傾向という。

 高校生の中には、無月経を治療せずに放置している選手も少なくない。婦人科で治療を受けるなど、早急に対策を講じなければならない。

 徳島県は、女性選手特有の健康問題について広く情報発信し、解決に向けて支援するため、啓発冊子を作ったりセミナーを開いたりしている。成果を挙げるためには息の長い取り組みが必要だ。

 女性アスリートにとって、出産・育児と競技生活との両立も大きな問題である。育児をしながら競技を続け、将来は指導者になりたいと考える選手も増えている。

 最近の夏季3大会で、日本選手団のコーチに占める女性の割合は、五輪で約10%、パラリンピックで約20%にとどまっている。両立支援や指導者育成に向けた動きが急がれよう。

 1896年の第1回アテネ大会に始まる五輪の歴史は長いが、女性がスポーツをすることを制約する国もあって、全参加国・地域から女子選手が派遣されたのは、2012年のロンドン大会からだ。

 東京大会は男女平等を実現する大会となるだろう。開催国として、女性アスリート支援の先進的な取り組みを期待したい。