被災した店舗の前で、とくし丸の車両に商品を積み、販売する天満屋ハピーズ真備店の仮説店舗=岡山県倉敷市真備町

駐車場にがれきが積まれた状態の同店=岡山県倉敷市真備町

 

 

 軽トラックで食品や日用品の移動販売を手掛けるとくし丸(徳島市)が、全国のネットワークや機動力を生かし、西日本豪雨の被災地で活躍している。死者が51人(18日午後5時時点)に上る岡山県倉敷市真備町も販売エリアだったが、商品を供給するスーパーと移動販売車が水没した。これに対し、高知県のスーパーが同社所有の「とくし丸」を提供し、周囲のほとんどの小売店が休業を余儀なくされる中、車両を仮設店舗にして17日から営業を再開した。

 真備町では天満屋ストア(岡山市)がとくし丸と提携し、天満屋ハピーズ真備店を拠点に車両1台で町内を巡っていた。しかし、今回の豪雨で近くの小田川が決壊し、店は高さ5メートルまで浸水。店舗販売と移動販売のいずれも、7日から休業に追い込まれた。

 こうした状況を受けて、とくし丸本部が車両1台を手配し、11日から移動販売を再開。さらに、高知県でとくし丸と提携しているサニーマート(高知市)が予備の車両2台の貸し出しを申し出た。天満屋ストアはこの2台に、約10キロ離れた系列店から調達した食品や日用品約500品目を積み、真備店の駐車場に止めて仮設店舗として営業を始めた。

 周辺の住民は避難生活を送っており、来店客の多くは復旧作業に励む作業員やボランティアら。初日は約30人が訪れて約1万円の売り上げがあった。18日は前日に要望の多かったアイスクリームを商品に追加。1時間で約20個が完売し、スタッフが補充に走った。

 復旧作業でガードマンをしている西森康則さん(67)=岡山県総社市=は昼時にすしとお茶を買った。「弁当を忘れてしまい、コンビニも閉まっていて困っていた。とても助かる」と喜んでいた。

 接客に当たっていた天満屋ストア本部の森好章とくし丸担当課長は「少しでも被災地の役に立ちたい。今、避難所にいる人たちが早く自宅に戻り、来てもらえるようになってほしい」と話した。

 京都府福知山市や広島市でも、とくし丸の提携スーパーが被災したが、近隣の提携スーパーが移動販売車を代替運行するなどして営業を続けている。

 とくし丸は18日時点で、44都道府県で320台が運行している。同社の住友達也社長は「大きな災害に対しても、とくし丸の横のつながりが大きな力を発揮できるよう、さらにネットワークを広げていきたい」と話している。