100回目の公演に向けて稽古に打ち込む劇団員=阿波市阿波町の林公民館

 ハンセン病をテーマにした人権劇「千の舞い」が7日、石井町での公演で通算100回目を迎える。阿波市民を中心につくる劇団「千の舞い座」が2008年の結成以来、病気への正しい理解を訴え、元患者の思いを県内外で伝えてきた。劇団事務局長で県ハンセン病支援協会の十川勝幸会長(75)=同市阿波町居屋敷=らは「差別がなくなる日まで演じ、伝え続けたい」と話している。

 「千の舞い」は、ハンセン病を発症して故郷を追われ、療養所に強制隔離された女性の一生をたどる内容。病気が治っても偏見から故郷に帰れない元患者の苦難や、虐げられても力強く生きていく人間の姿を描く。

 11年11月の50回公演後、脚本の一部を書き換えた。支援協が取り組む県出身者らの里帰り事業の際、十川さんが元患者から一対一で話を聞き、印象に残ったエピソードを基にした。元患者が療養所で過酷な労働を強いられた場面や、医師からも人間的な扱いを受けなかった場面だ。

 十川さんは「病気への差別がなくなる社会を一日でも早く実現させたい。100回を機に、さらに活動の幅を広げることができれば」と話す。

 劇団には阿波市を中心に徳島、吉野川両市や東みよし町の20~80代の男女25人が参加。毎月1回ほど、阿波市阿波町の林公民館で稽古を重ねている。節目の公演を控え、一つ一つの動作やせりふ、表現の仕方を繰り返し確認している。

 ハンセン病元患者らに隔離を強いた法律は1996年に廃止され、国は01年に謝罪したが、劇団にはこうした経緯を知らない世代も加わる。十川さんらの活動を知り、8月に入団した福家菜月さん(28)=同市市場町大俣、団体職員=は、今回が初舞台。「若い世代にハンセン病のことを知ってもらうため、自分にもできることがあると思う」と意欲を燃やす。

 公演は石井中学校体育館で午前10時から。入場無料。問い合わせは十川さん<電090(7574)6024>。