「鳴門の渦潮」を国内外へ発信し、知名度の向上や観光振興につなげるため、徳島県と鳴門市、兵庫県南あわじ市が共同で「日本遺産」への登録を文化庁に申請する方針を固めた。日本遺産の認定を受けて地域を盛り上げるとともに、両県が目標とする世界遺産登録に向けた取り組みの弾みにしたい考え。

 日本遺産は地域活性化を主眼とする文化庁の事業で2015年度から認定を開始。歴史的建造物や風習といった有形、無形の文化財の魅力を伝える「ストーリー性」を重視し、テーマや地域ごとに一括認定する。

 県などは、渦潮のある名勝鳴門を中心に育まれた鳴門市と南あわじ市の生業・往来・文化を一つのストーリーに仕立てることを検討している。

 大鳴門橋や紀貫之の歌碑、製塩用具、人形浄瑠璃など地域のさまざまな史跡や文化財を絡め、歴史的経緯や伝承・風習をアピールしていく。

 有識者の意見を交えて提案内容を詰め、来年1月中旬~2月中旬に申請する予定。認定の可否は4月にも判明する見通し。

 文化庁は4月、40都府県から申請があった83件のうち18件を第1弾として認定。徳島県関係では、四国4県と関係57市町村が申請した「四国遍路~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化」が選ばれており、鳴門の渦潮が認定されれば2例目となる。

 文化庁は東京五輪が開催される20年までに100件の認定を目指している。

 鳴門の渦潮に関しては14年12月、徳島、兵庫両県が世界遺産登録を目指す推進協議会を設立し取り組みを進めている。

 県地方創生推進課は「日本遺産に認められれば世界遺産化への機運醸成にもつながる。渦潮の魅力を伝え多くの人に来てもらえる提案を練り上げたい」としている。