[上]牟岐町で発見された国天然記念物のムラサキオカヤドカリ=牟岐大島 [下]ムラサキオカヤドカリを探すカイフネイチャーネットワーク会員や県立博物館の学芸員ら=牟岐町沖の牟岐大島

 国天然記念物のムラサキオカヤドカリが牟岐町沖の牟岐大島に生息していることが、県立博物館などの現地調査で分かった。四国では高知県に生息しているが、県内で確認されたのは初めて。
 
 ムラサキオカヤドカリは日本固有種で、沖縄をはじめ宮崎や高知、和歌山、神奈川県など太平洋側の海岸に分布する。若い個体はクリーム色で、成熟すると紫色になり、最大5センチほどに成長する。

 現地調査は8日、県立博物館の山田量崇学芸員(37)と地元の環境団体「カイフネイチャーネットワーク」が合同で実施。漁船で牟岐大島に上陸し、岩の亀裂部分などにいる体長0・8~3・5センチの個体を30匹以上見つけた。色はいずれも白いクリーム色で若い個体とみられる。

 現地調査のきっかけになったのは、平山正則さん(65)=牟岐町灘、会社員=からの通報。20年ほど前に大島で見つけた品種不明のヤドカリが、テレビ番組で希少種として紹介されているのを知り「保護しなければ」と14年夏、同ネットワークに連絡し、今年8月に同ネットワーク会員らと一緒に採取した。県立博物館に鑑定してもらったところ、ムラサキオカヤドカリと判明。現地調査を行うことになった。

 山田学芸員は「さまざまなサイズの個体がいるので、大島に定着しているのは確実だろう。ただ浜には、ヤドカリが入れる大きな貝殻がないので、紫色になるほど成長できないようだ」と話す。

 同ネットワークの浅香新八郎理事長(77)=同町川長=は「このヤドカリが繁殖していることを確認するため定期的な調査を行う。漁協や渡船組合にも協力を呼び掛け町全体で保護の輪を広げたい」と話している。