3Dスキャナーを使って木偶の形や色を計測する浮田講師=徳島大常三島キャンパス

 徳島大地域創生センターは、阿波人形浄瑠璃の木偶の構造や人形遣いの動きをデジタルデータとして保存する「阿波人形浄瑠璃共創プロジェクト」を始めた。集積したデータを基に3Dプリンターで木偶を製作するほか、より人間らしく見える木偶の操り方を探求する。大学が持つ最先端技術を使って徳島の伝統文化を盛り上げ、継承に一役買う。

 プロジェクトは、同大大学院ソシオテクノサイエンス研究部の浮田浩行講師(画像処理)らが進め、11月上旬から木偶を詳細に計測している。本体とからくりの形を3Dスキャナーで読み取り、データ化して半永久的に残す。

 データを活用して3Dプリンターで木偶を製作するワークショップを計画しており、からくりの仕組みや人形浄瑠璃の歴史を学べるようにする。

 人形遣いの名人の動きはモーションセンサーで計測、分析する。初心者でも人形を生き生きと操れるよう、ポイントを分かりやすく伝えるトレーニングシステムの開発を目指す。

 阿波木偶作家協会によると、木偶を手掛ける県内の人形師は現在35人で、10年前に比べて15人ほど減少。ほとんどが60歳以上と高齢化が進み、後継者不足が課題となる中、伝統文化継承へ3D技術の応用を考えていた浮田講師らがプロジェクトを発案した。

 浮田講師は「将来的には3Dプリンターで作った木偶を使い、キャンパス内で公演したい」と話している。

 プロジェクトは9月に常三島キャンパスに開設した「フューチャーセンター」の開設記念事業の一環。