徳島県と徳島市、JR四国が進める市中心部の鉄道高架事業で、市南部の牟岐線・地蔵橋駅近くで合意していた車両基地の移転場所の見直しを市が提案していることが2日、関係者への取材で分かった。合意した移転場所にさまざまな問題があることが判明。事業推進のネックになっており、市は早期の事業着手を目指して移転場所の再検討を決めた。

 移転場所の見直しは、市が主要政策の再構築に取り組む中で、鉄道高架事業を前に進めるために必要と判断した。これに対し、県は新たな移転場所の具体案を示すよう求めており、提示されれば、協議に応じる考え。

 車両基地は2009年6月、現在の徳島駅北側から地蔵橋駅近くに移転させることで3者が合意した。だが、移転先は大雨で冠水する恐れがある上、県の津波浸水想定で浸水エリアに入ったことから、これらの問題を解決するのに多額の費用が見込まれる。また、徳島駅から約6キロ離れており、列車の回送コストも増える。

 このため、移転場所を正式には決定しておらず、県は詳しい場所を公表していない。

 県は、課題の多い車両基地移転問題を棚上げして事業を進めるため、11年11月、工区を2分割して新町川鉄橋-冷田川鉄橋間を先に都市計画決定(都決)する案を提示。先行区間から外れた徳島駅周辺の高架化を重要視する市は全区間一括の都決を求め、議論は平行線をたどっている。