古民家を改修した宿泊施設を見て回る視察団=10月、三好市東祖谷の落合集落

 三好市への行政視察が増えている。2011年度の5件に比べ、14年度は5倍の25件になった。休廃校の校舎を活用する事業や古民家を改修した宿泊施設の整備、官民一体となった観光振興の取り組みが、先進事例として注目されているのが要因。市は視察も観光資源と捉え、宣伝と経済波及のダブル効果に期待を寄せる。

 市議会事務局によると、視察件数は12年度12件、13年度14件、14年度25件。視察団の大半は四国以外から訪れており、北海道から九州まで幅広い。

 休廃校活用事業について、市は無料貸し出しを全国に先駆けて実施。現在9校が利用されている。過疎に苦しむ山間部が活気を取り戻すモデルケースとして注目を浴びる。

 今年2月に訪れた和歌山県みなべ町議会は、三好市池田町の旧出合小校舎を改装したカフェ兼イベントスペース「ハレとケデザイン舎」を視察。寺谷敦事務局長は「カフェはもちろん、運動場ではスポーツをする住民が笑い声を響かせ、学校全体が地域の憩いの場となっていた」と話した。みなべ町の廃校活用事業でも三好市をまねる考えだ。

 国重要伝統的建造物群保存地区に指定されている同市東祖谷の落合集落では、市が古民家8棟を宿泊施設に整備。設計を監修した東洋文化研究家アレックス・カーさんが各種メディアで紹介していることもあり、視察団が精力的に訪れている。

 渓谷美と温泉が人気の同市大歩危、祖谷両地区への視察申し出も多い。市は、県と県西部4市町の官民でつくる「にし阿波観光圏協議会」の取り組みについて説明するとともに、通常の観光コースにはない寄り道スポットまで案内している。

 視察団の滞在時間が増えれば宿泊につながりやすく、地域経済も潤う。黒川征一市長は「全国から注目してもらえて本当にありがたい。さらなるPRにつながるよう斬新な発想を探りたい」と話している。