記者の質問に答える河野太郎消費者担当相=徳島市の県消費者情報センター

 消費者庁(東京)の誘致に乗り出している徳島県を訪れた河野太郎消費者担当相は14日、消費者庁長官をはじめとする職員10人程度を2015年度中に神山町に派遣し、試験的に仕事をさせる考えを明らかにした。東京との距離的障壁を解消するICT(情報通信技術)システムを駆使した働き方を検証し、課題を洗い出す。

 記者団の取材に対し河野氏は、消費者庁の移転を検討する上で職員の働き方を変える必要性が生じると強調。テレビ会議システムを使って業務に支障が出ないかなどを検証するため、光ブロードバンド環境が整いサテライトオフィス(SO)が集積する神山町に、1週間~1カ月間程度滞在させるとした。実施は来年3月ごろの予定。

 河野氏は「会議や関係団体とのコミュニケーションの確認作業を行った上での(移転)決断となるため、まずはテストをやらせてもらう。県庁への移転に向けて、できることを確認していく」と語った。

 河野氏はこの日午前、公務で上京中の飯泉嘉門知事とテレビ会議システムを使った会談をしたり、県が移転先の候補とする県庁や神山町のSOを視察したりした。知事とのテレビ会議では光ブロードバンド環境が整っている徳島への移転に前向きな姿勢を示した。

 県は消費者庁を誘致するため▽全国に先駆けて食の安全・安心や消費者行政に力を入れている▽光ブロードバンド環境が整っている-など他県との違いをアピールしている。

 消費者庁の誘致に名乗りを上げているのは徳島県だけ。県は同庁以外に、国民生活センターや総務省情報通信政策研究所など5機関の移転を提案している。

 神山町でSO誘致を手掛けてきたNPO法人グリーンバレーの大南信也理事長は「地方創生で地方が変わろうとしている中、国も変わってもらわないといけない。今回の派遣が、国と地方双方にとっての大きなターニングポイントになれば」と期待を込めた。