三好市で初公開された映画「蔦監督」=同市池田町の市中央公民館

 三好市出身の映画監督蔦哲一朗さん(31)=東京都=が製作したドキュメンタリー映画「蔦監督-高校野球を変えた男の真実」が27日、同市池田町マチの市中央公民館で初公開された。祖父で池田高校野球部元監督の故蔦文也さんの生涯を約40人の証言でたどっており、地元住民ら約600人が、甲子園を3度の優勝に導いた名将の素顔に触れた。

 完成までに5年を要した力作で、舞台あいさつに立った哲一朗さんは「祖父がどんな人物だったのかを孫目線で撮ることができた」と語った。

 映画の中で、妻の故キミ子さんが「あの大酒飲みの守りをするのはえらいわ」「肉を2日食べなんだら、何日も食べとらんように言う」との逸話を披露すると、会場は笑いに包まれた。

 甲子園に初出場するまで20年を要した苦労や、「やまびこ打線」の活躍を振り返る映像も盛り込まれており、観客は食い入るように見ていた。

 文也さんをよく知る人々も鑑賞に訪れた。1979年夏の甲子園で準優勝した時の主将で、現在の池田高校野球部監督の岡田康志さん(54)=同市池田町ウエノ=は「継続することの大切さをひしひしと感じた。偉大な先生に少しでも近づきたい」と表情を引き締めていた。

 同校元職員の苧川花子さん(79)=同市井川町タクミ田=は「人間味のある蔦先生の姿が手に取るように分かった」。元野球部長の白川進さん(78)=同市池田町シマ=は「仲の良かった夫妻があの世で喜んでいるのでは」と話した。

 今後は▽来年1月17日=北島町立図書館・創世ホール▽同31日=脇町劇場オデオン座▽3月13日=阿南市文化会館夢ホール▽同21日=アスティとくしま▽4月9日~同15日=東京の新宿K’sシネマ-で上映される。入場無料。