徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 人の体温は体温調節中枢によってほぼ一定に保たれていますが、常に同じではありません。体温は様々な条件によって変動します。

 体温が変動する条件には次のようなものがあります。生体リズムによる日内変動や性ホルモンによる周期は生理的なものです。年齢や個人差もあります。測定時の条件、体温調節中枢の異常や各種疾患による発熱や低体温は病的なもので、予防接種や各種の手術などの処置後にも発熱することがあります。薬剤による発熱や低体温、心因性の発熱なども考えられます。

 体温は活動に伴って上昇します。休息や睡眠に伴って低下します。一日の中でも日の出前、地表温が最も低下する時には体温も最低になります。活動が最も活発になる午後、夕方には最も体温も高くなります。体温のリズムは睡眠と覚醒のリズムにも一致して日内変動を示す人の生体リズムの代表的なものです。

 年齢的には子どもの方が成人よりも新陳代謝が活発で体温も高くなります。活発な個体ほど体温は高くなります。

 体温計測時には季節による気温差や環境温や湿度を考慮する必要があります。体温を測定する部位による差もあります。腋窩、頸部、口腔内、直腸、鼓膜などによって差があります。体温計の種類よる差や体温計自体の誤差もあります。体温計をあてる場所やあて方や角度、押さえ方による差もあります。

 現在、測定している体温は絶対的なものではありません。測定条件によって変動する相対的なものです。体温計や測定条件を常に一定にして測定して比較することが大切です。