徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 発熱に対する解熱剤の使用は慎重であるべきです。原因疾患が明らかであればその原因療法を最優先して行い、発熱に対する解熱剤の使用は対症療法として行います。

 原因の判らない場合の対症療法は原因を隠してしまう恐れがありますから慎重でなければなりません。特に新生児や生後3か月以内の乳児の発熱には髄膜炎や敗血症などの重篤な感染症が隠れていることがありますから安易に解熱剤は使用しません。

これに対して年長児や幼児では高熱に伴って強い痛みや倦怠感、食欲の低下などを伴いますから解熱剤を使用して子どもの苦痛を取り除くようにします。

発熱の原因疾患を診断するときのポイントは、その発熱がいつから、何度くらい、発熱以外の随伴症状の有無、全身状態、周囲に同じ症状の人の有無、既往歴や基礎疾患の有無、予防接種歴、現在服薬の有無、予防接種の有無、体温測定法や環境温の確認などです。

この中で最も重要なのは全身状態と随伴症状の把握です。発熱の程度よりも全身状態の良し悪しが重篤な疾患の診断の助けになることがあります。

最も多く使用されている解熱剤はアセトアミノフェンです。アスピリンはインフルエンザや水痘時の使用でライ脳症の発生が、メフェナム酸やジクロフェナクナトリウムもインフルエンザ脳症の発生に関係し、現在小児科では解熱剤として使用されていません。

解熱剤には座薬または内服薬がありますが、その効果にはそれ程の差はありません。いずれも頓用で使用するもので連用は避けます。