徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 子どもの発熱は心配なものです。救急受診理由の中で最も多いものが発熱です。今月は発熱と体温について考えてみました。

 体温は常に一定の範囲内に保たれるように調節されていますから、体温を測定することは健康状態や病気の経過を観察する上で大切な指標になります。

 体温は家庭で簡単に測定できますが、子どもの体温は病気の時だけでなく、環境の温度や運動、感情、食事などの影響を受けて変動しやすいものです。発熱かどうかを判断するには体温を正確に測定しなくてはなりません。

 体温は同じ条件で測定する必要があります。同じ測定部位で、同じ時間帯に、同じ体温計で測定します。測定条件が異なる体温を同列に比較することはできません。

 体温には中枢温と末梢温の違いがあります。中枢温は内臓や中枢神経など体の中心部の温度で、常に一定に保たれています。末梢温は皮膚表面や四肢末梢の温度で、環境の影響を受けて変動しやすく、中枢温に比べて3~4度低いと言われます。

 また体温には日内変動があります。夜明け前に最も低くなり、夕方に最も高くなります。体温を比較する場合には同じ時刻に測定した体温を比較します。運動や興奮、入浴、食事の後では上昇します。

 体温を測定する部位は腋窩で、汗を拭き、体温計を腋窩の中央にまっすぐ当て、体温計を固定します。電子体温計であれば2分以内に測定が終わります。測定終了の信号音が鳴り終わってから数値を読み取ります。体温も測定の仕方で不正確になりますから、常に一定の方法で測定することが大切です。