徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

小児の健康を守る上で予防接種はとても大切なものです。感染症の中には重篤な症状を示すもの、治療法の無い病気、伝染力が強くて予防が難しい病気があります。このような病気に対しては予防接種だけが子どもの健康や生命を守ります。    最近では多くの予防接種が安全に接種できるようになっています。国が定めた定期接種以外にも大切な予防接種があります。今月は予防接種の重要性について考えてみました。

今年10月から、水痘ワクチンが定期接種になりました。基本的な接種期間は生後12か月から36か月までで、接種回数は2回です。来年3月末までは3歳以上5歳未満の児に1回のみの接種が認められています。

水痘は水痘帯状疱疹ウィルスによる伝染力の強い疾患です。罹ると1週間くらい保育園などの集団生活を休む必要があり、患児にも家族にも負担の大きい疾患です。

「水痘には自然に罹った方が良い」と言う無責任な意見があります。確かに自然に罹患した方が強い免疫が出来ますが、自然罹患したすべての子どもたちが軽症に経過するとは限りません。水痘の症状には個人差があって、体力や抵抗力の違いによって中には重症の水痘になることがあります。重症の基礎疾患を持つ人や、副腎皮質ホルモン・抗がん剤・免疫抑制剤などで治療中の人も居ます。このような子どもたちが水痘に罹ると重症化して死亡することもあります。

水痘は空気感染するほど伝染力の強い疾患ですから、罹った場合には完全に治るまでは外出を控えます。罹る前にワクチンを接種して免疫を獲得しておくことが大切です。