徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

典型的な突発性発疹症(突発疹)は自然治癒するので特別な治療を必要としません。しかし突発疹では熱性けいれんが起こることがあります。突発疹では他の発熱性疾患の時よりも熱性けいれんが起こりやすい傾向があります。突発疹では発熱時に大泉門が膨隆することや髄液中からHHV-6ウィルスの遺伝子が検出されることがあり、このウィルスは中枢神経系に親和性が高く、神経症状を起こし易いことが疑われます。

熱性けいれんは高熱を出した乳幼児に発生することがありますが、多くは1~5分間で自然に治まります。このような自然に止まる熱性けいれんには特別な処置は必要としませんが、けいれんが長く続く時や、一度止まっても短時間の後に再発する場合には注意が必要です。これは突発疹の経過中に脳炎や脳症が発生することがあるからです。

脳炎・脳症を発生する疾患として、突発疹はインフルエンザに次いで多いとされます。年間100人ほどが突発疹による脳炎・脳症に罹患すると推測されていますが、この脳炎・脳症では半数は治りますが半数は死亡するか後遺症を残すと言われます。

突発疹の初発症状の特徴は高熱であり、乳児の高熱を見た場合に突発疹と決めつけることは危険です。突発疹は自然経過の良好な疾患ですが、他の高熱を来す細菌感染症との区別が大切です。中耳炎や尿路感染症、菌血症、髄膜炎などを考慮して慎重に鑑別することが大切です。

突発疹はありふれた疾患ですが、とても重要な疾患です。