徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 生活習慣の変化は子どもの世界にも影響を及ぼしています。平和で豊かな、便利な社会では摂取栄養の過剰や運動不足などから肥満の子どもが増加し、将来の生活習慣病の増加が懸念されます。今月は子どもの肥満について考えてみました。

 子どもの肥満は高率に成人の肥満に移行すると言われます。子どもの時に症状がなくとも内臓脂肪による動脈硬化の影響で成人期の死亡リスクが上昇することが知られています。

 肥満は身体に脂肪が過剰に蓄積した状態です。小児では消費エネルギーの他に成長に伴うエネルギーが必要になります。この和を上回るエネルギーを摂取した時に余分なエネルギーが脂肪として蓄積されます。

 肥満の基準は年齢、性別、身長などによって異なります。成人の肥満は体重を身長の2乗で割った指数、肥満度BMIで表します。しかし小児では年齢によってBMIの標準値が異なりますから一律にBMIで比較することは出来ません。

 小児では年齢、性別、身長による標準体重を算出して、実測値と比較して肥満度を算出して判定します。標準体重から20%以上多いものを肥満とします。20~30%を軽度肥満、30~50%を中等度肥満、50%以上を高度肥満とします。

 肥満があるだけでは症状はありません。肥満が原因となる身体症状がある場合に「肥満症」として疾病扱いします。肥満に高血圧、内臓脂肪の増加、耐糖能障害のいずれかが合併するときにはメタボリックシンドロームと診断して積極的な治療を行います。