選抜阿波踊り大会前夜祭で華やかなフィナーレに見入る観客=アスティとくしま

 徳島市の阿波踊り開幕を翌日に控えた11日、アスティとくしまで開かれた選抜阿波踊り大会前夜祭では、優美で華麗な踊り絵巻が観客を夢幻の世界へといざなった。この日の舞台に臨んだのは、踊り子や鳴り物陣の総勢約700人。美と技を凝縮させ、2部構成で踊りの魅力を余すところなく披露した。

 第1部は阿波おどり振興協会16連が出演し、一糸乱れぬ女踊りの群舞が観客の心をわしづかみに。五つの連が「匠の技」を競い合う男踊りも迫力満点で、踊り子のエネルギーがほとばしった。

 埼玉県越谷市のフリーター滝田莉捺さん(20)は「私も埼玉で阿波踊りをやっているので参考になった。さすがに本場の踊りの美しさは違う」と感激した様子。

 県阿波踊り協会17連による第2部は、子どもたちの踊りからベテランの円熟の技まで、目まぐるしい展開で飽きさせない。従来の「2拍子」ではない「3拍子」の曲に乗せた女踊りなど、鳴り物陣の多彩なメロディーも観客を楽しませた。

 午後の2回の公演では東日本大震災復興支援の位置付けで仙台・青葉まつり協賛会の仙台すずめ踊りも登場。元気いっぱいの踊りを披露し、会場を沸かせた。初めてすずめ踊りを見た阿南市横見町中川原の行政書士岩佐勝江さん(70)は「躍動感があって素晴らしい。震災で大変だっただろうが、これからも頑張ってほしい」とエールを送った。

 フィナーレは踊り子たちが客席の通路を埋め尽くしての総踊り。前夜祭は3回目という大阪府堺市の無職中村敏明さん(69)は「毎年進化しているのがすごいところ。本番の踊りも思う存分楽しみたい」と開幕を心待ちにしていた。