木偶を使った演出で存在感を放つ舞女流華連=両国橋南おどり広場

 徳島と淡路をつなぐ大鳴門橋が開通して30年、橋が結んだ阿波踊りの交流がある。兵庫県南あわじ市の同級生2人は、さゝ連で踊りや鳴り物の腕を磨き、洲本市の舞女流華連は人形浄瑠璃を取り入れて文化を発信する。物流の大動脈は淡路島の踊り子にとっても「夢の架け橋」。13日、それぞれの思いを胸に本場で踊る喜びをかみしめた。

 「何度経験してもまた演舞場に戻ってきたくなる」。南内町演舞場で、さゝ連の特徴である腰を低く落とした踊りを披露した森崎三郎さん(60)=南あわじ市、会社員=が汗を拭う。三味線で盛り上げた坂口尚代さん(60)=同、飲食業=も充実の表情を見せた。

 2人は小中学校の同級生。10年以上前に淡路島でさゝ連の踊りを見たのをきっかけに森崎さんが入連し、坂口さんを誘った。

 徳島市や北島町の練習場までは車で40~50分。仕事を終えて向かっても十分に間に合う。「フェリーだったら考えられない。橋のおかげでいつでも練習に参加できる」と坂口さんは言う。

 演舞場で阿波っ子に劣らぬ情熱をたぎらせた森崎さんは「温かく受け入れてくれた恩に報いるためにも、さゝ連の踊りを究めたい」と意気込む。

 淡路島の連ならではの演出で存在感を放ったのが、舞女流華連。阿波人形浄瑠璃のルーツでもある淡路島の人形浄瑠璃を16年前から阿波踊りに取り入れている。

 両国橋南おどり広場で、よしこのに合わせ男女2体の木偶が恋の駆け引きを演じる。最後は観客と握手して回り、拍手を浴びた。副連長の今井淑恵さん(33)=洲本市、自営業=は「淡路の伝統芸能を楽しんでもらえてうれしい」と胸を張った。

 阪神大震災からの復興と観光PRを目的に1995年、富本芳榮連長(61)=洲本市、自営業=が結成した連も既に20年の歴史を持ち、踊りの実力も折り紙つき。富本連長は「徳島で浴びる拍手は別格。今後も徳島の連と切磋琢磨して互いに高め合いたい」と話した。