秋篠宮家の長女、眞子さまの結婚を巡る週刊誌の報道合戦がやまない。宮内庁は、天皇、皇后両陛下が「静かな環境」が保たれるよう願っていることを重ねて公表しているが、一向に収まらない。

 小室圭さんの人格を一方的におとしめるような記事や、プライバシー無視の取材も見受けられる。まるで「破談」に追い込みたいかのようだ。

 皇后さまは、自分が発言していないことがまことしやかに報道されているのに驚き、悲しんでおられる。陛下も深く心を痛めている。

 宮内庁は、両陛下の意をくみ、週刊誌の「誤報」を次々と指摘している。しかし、こうした報道を確実に止める方策はない。憲法で保障された表現の自由にも関わり、「誤報」と指摘できても、「やりすぎ」「過熱」と抗議するのは難しい。

 皇室と週刊誌との摩擦は、平成に入り幾度も繰り返された。皇室にとって最も悩ましく、対処が難しいのが週刊誌報道だ。

 皇后さまの失声症の原因となった1993年の「皇后バッシング」や、皇太子妃雅子さまの体調悪化の一因と指摘される過熱取材など、女性皇族は批判や中傷の対象になりやすい。来春の代替わりの後には、公務復帰が十分でないことを理由に、雅子さま批判が再燃する恐れもある。

 宮内庁の役割は、言うまでもなく天皇陛下や皇族方を守ることだ。その苦悩を知りながら無為無策のままでは、存在意義を失う。静かな環境を保つ努力を強めなければならない。

 そのためには、まず率直に事実を明らかにする姿勢を持つことである。今年2月、眞子さまと小室さんが「結婚延期」を公表した際、宮内庁は「一連の週刊誌報道とは無関係」と言い張った。

 皇室の権威を守ろうとする意味合いだろうが、茶番にしか見えない。そのことが、その後の週刊誌報道のありようにも影響している。

 結婚は、当事者の気持ちが最優先されるべき問題だ。宮内庁によると、両陛下は今回の問題を「眞子さまの内心に触れる事柄」と受け止め、「極力周囲の雑音から守り、静かな状況を保つ中で自分の考えを深められるように」と心を砕かれているという。

 ご自分のお子さまたちの結婚でも、両陛下は一貫して「本人の気持ち」を尊重してきた。平成皇室の在り方そのものだ。

 報道に関して、両陛下が共に嫌悪されているのが「うそ」である。特に、皇后さまは、自分が結婚や皇位継承など皇室の重大事に口を挟み、影響を与えたかのような報道をとても嫌う。

 「事実でない報道には大きな悲しみと戸惑いを覚えます」。25年前、皇后バッシングの渦中で倒れる前日、皇后さまは文書でこう回答した。

 皇室を守る立場の人々にとって、忘れてはならない痛恨事である。